<7日目>2019年5月2日(木)
■行程: テルジット→ヌアクショット⇒(イスタンブールへ)
まだ暗い朝5時、パンと紅茶で朝食をいただきます。
パッキングを終えて、車に積み込み、6時に出発。キャンプサイトのコックさんが、今日から1ヶ月の休暇でヌアクショットに行くということなので、一緒に行くことになりました。前に3人乗ってかなり狭そう。帰りは、行きに来た道を戻るので見所は特にないそうなので、私は後ろで横になって寝ていくことにしました。途中チェックポイントでは起きて顔を見せます。
途中給油のための休憩を含め、約5時間でヌアクショットに到着。途中のバス停付近で、コックさんを降ろします。
荷台に積んでいたコックさんの荷物の中に、ヤギが3匹いました。家族へのお土産にするそうです。ヤギ3匹のほかに、スーツケースと自転車。ここからバスで自宅に帰るそうです。大変そう。
ヌアクショットの街中は、ものすごい交通量で渋滞しており、道端ではフルーツスタンドがあったり、中古車を売っていたり、ヤギを売っていたり、かなりのカオスです。
ドライバー向けにフランスパンを売る人。器用にバランスをとっています。
数は圧倒的に少ないですが女性も車を運転しており、その車の後ろの男性ドライバーは、女性が左折するのをちゃんと待ってあげていました。ただし、それ以外の車からは、クラクションと怒号の嵐。ヌアクショットの街中を運転するのはかなり大変そう。
お土産を買うのにウギアがないため、2箇所ほど銀行に行きましたが、今日は週末前ということで、どこの銀行でもお金が足りず、人が溢れていました。軽い取り付け騒ぎ?このような状況は日常的なのか、特に怒鳴り声など聞こえず険悪な雰囲気ではありませんでした。
結局、官公庁が立ち並ぶ区域の銀行に行き、クレジットカードのキャッシングで初めてウギアをゲットできました。どこの銀行でもUSDの両替はしてくれないし、大きなお土産屋さんでもUSDは価値が下がるといって、受け取ってくれません。ユーロをもっと持ってくればよかった。
このあと、1日目に宿泊したホテルへ行き、まずは、シンゲッティのオーベルジュで教えてもらったTooggaのセールスマンにホテルにきてもらい、石鹸などをお土産として購入。店舗はどこにあるのか不明。その後、ホテルの部屋のシャワーを使わせてもらい、着替えて、パッキングしなおし、出国に向けて準備を整えます。その後、また車で迎えに来てもらい、今度は海沿いのフィッシュマーケットへ。
この魚の加工施設は、もともとは日本のODAで建てられたそうですが、メンテナンスは中国がしているそうです。
漁船は海岸にも少し沖のほうにもぎっしり並んでいます。港は別の場所にあるそうですが、ここでは、直接浜から出漁します。
帰ってきた船を浜に上げるのを手伝う人々。この船は漁船ではなく、大きな船からオイルなどを積み込んできたようです。
浜に捨てられていた小さいアンコウ。アンコウはモーリタニア人も食べるらしい。キモも美味しいといっていました。
いろんな種類の魚がいます。日本にもたくさん輸出されているらしい。
漁師はどこでも気が荒く、写真撮っていると文句言われている感じですが、Maanが大丈夫だというので気にせずシャッターを押しました。日本のタコ輸入ダントツ1位のモーリタニア。ここにはタコはいませんでした。
ひととおりフィッシュマーケットを見学した後、ランチを食べに空港近くのレストランに行きます。
道路ではなく、浜辺を爆走!釣り人は糸が車に巻き込まれないように、釣竿を地面に寝かせてやり過ごします。
到着したのは、海の家もやってるレストランSutan。フランス人Nikoがオーナーで、週末は地元の人々で混むらしい。今日は、地元の6名ぐらいの若者1組だけが遊びに来ていました。
ここで、モーリタニアでの最後の食事をします。またしてもリクエストしたチキンパニ!スパイシーで美味しい。ちなみに、モーリタニアのフランス料理は、あまりソースを使わず、本来のフレンチとはずいぶん違う。Maanが言うには、モーリタニア人はソースを好まないかららしい。
また、モーリタニアにマクドナルドはなく、ケンタッキーフライドチキンは、以前あったが、今はないという。チキンパニはまさにフライドチキンなので、モーリタニアでは受けそうなのに、なんで撤退したんだろう?
チキンパニとサラダは一人一皿ずつ。どうみても多すぎ!
カラマリとシュリンプのグリル。これはみんなでシェア。素朴で美味しいです。
ここでもお腹一杯。食事を終えたら、いよいよ空港に向けて出発。名残惜しい。
空港に行く途中にも道路にラクダが!
16時ごろ予定通り空港に到着。ここでナジィとお別れ。セヴォンドライバーでした。入国時のイミグレのアバウトさに比べ、ここは厳しく、空港内にガイドは入れないと止められました。だけど、Maanが上司に許可を取れと言ったようで、どうにか一緒に入れてくれました。
チェックイン前に、預け入れ荷物のぐるぐる巻きをしなければと思い、見渡すと、出入り口のそばに機械があるが、係りの人はいない。同じようにぐるぐる巻きを待っている人がいて、その人が空港の職員に頼んだようで、人が来て、その人が、ビニールとガムテープで手で荷物を巻いてくれた。機械で巻く値段は100ウギア。見た目はとてもみすぼらしい荷物に。手で巻いても同じ値段とは解せないけど、まあないよりいいかということで、お支払い。ここでMaanとはお別れ。とても楽しく過ごせました。大変お世話になりました。
そしていよいよターキッシュエアラインのチェックインカウンターに並ぶ。そこには出国カード(入国カードと同じ)をくれたり、ペンを貸してくれたり、荷物を乗せてくれたりして、小銭を稼ぐ青年がいて、5USD以上のチップを要求されたけど、1USDならあげるけど、5USDはあげないといったら、じゃあいらないといって行ってしまった。
そしてセキュリティチェックを受け、イミグレへ。モーリタニアに来る前は、税関検査で日本人とわかると、空港職員がパスポートを取り上げ、賄賂を要求され、払わないとパスポートを返してくれないという情報があったため、人が来るまでしばらく時間を潰して西洋人の後についてセキュリティーを通り、イミグレへ。イミグレ担当官は、とても感じがよく、笑顔で対応。私もつい、I like Mauritania very much!といってしまいました。でもこれは本当の気持ち。
そして、問題の税関検査へ。税関職員数人が車座になっていて、日本人というと、女性職員から、仕事を聞かれ、答えると、それだけで終わり、気持ちよく通してくれました。え、これでいいの?
そして、搭乗までラウンジで時間を潰します。
意外にちゃんとしたラウンジがあります。受付の女性が美人でとても感じがよかった。空港内の放送がアラビア語とフランス語だけで、わからないので何度も搭乗口に確認に行きました。結局、到着便が1時間ほど遅れましたが、順番がきたと受付の女性が声を掛けてくれて、無事搭乗。
この便は、イスタンブール発ヌアクショット経由セネガル・ダカール行き、その後すぐにセネガルからイスタンブールに戻る便で、私の座席には既に別の人が。。。どうやら、セネガルまでの座席番号と、セネガルからの座席番号は別に指定されているようで、ヌアクショットからセネガル経由でイスタンブールへ行く乗客は、セネガルまでは空いている席に座らなければならないらしい。
セネガルでは、イスタンブールへ行く乗客を乗せたまま、乗客を降ろし、その後に清掃が入り、完了後セネガルからの乗客が搭乗します。乗客を降ろした後、モーリタニアから乗り込んだエコノミーの乗客5名があいているビジネスクラスにどやどややってきて、いきなり座り込みお祈りを始めました。敬虔なイスラム教徒だったようですね。
こうして、エキサイティングなモーリタニア旅行は幕を閉じたのでした。
パリ・ダカールラリーがテロ等の理由により2009年から南米で開催されているのが影響して、モーリタニアの観光客もめっきり減ってしまっているという。外務省の渡航安全情報でも、ヌアクショット、シンゲッティまでの西側半分はレベル2の要注意、ウワダン、リシャット構造が含まれる部分は、レベル3の渡航中止勧告がでています。また、前の大統領の時代までは、マフィアの中継地だったため、麻薬や覚せい剤が街に蔓延っていたといいます。しかし、現大統領は、それを禁止し、観光業にも力をいれているようで、チェックポイントをいくつも設けて、旅行者の安全に目を配っています。
実際に訪れてみると、砂漠に暮らす民は穏やかで、多くのものを必要とせず慎ましく暮らしています。その国民性は、日本人に近いものがあり、親近感を感じます。訪れた村や町でも、異教徒の女性だからと言って、好奇の目に晒されることもなく、子供が集まってきてお金を欲しがるということもほとんどありませんでした。
地元の人たちや遊牧民の方々と交流できたのは、ひとえにガイドのお陰で大変感謝しています。また、旅行期間中、ガイドは常にこちらの希望を聞いてくれ、こちらから特に要望していなくても、細かい点にまで行き届いた配慮をしてくれ、ホスピタリティの高さを実感しました。
水産業では、日本と繋がりが深い国でもあり、もっと日本人の旅行者が増え、モーリタニアの良さが広まればと思っています。